封蝋の作り方とコツ|4つのタイプ別に作り方を詳しく紹介します

封蝋とは

封蝋というのは、主にヨーロッパで手紙の封筒や文書の封印をしたり、瓶などの密封のために使われる蝋のことです。
手紙などの封に使うとおしゃれで高級感が出るので、ひそかなブームになっています。
ただし昔は使用人の手渡しでの受け渡しだったのでいいのですが、現在は大量の仕分け、輸送になっており、他の郵便物とこすれて封蝋が砕けてしまうこともあるので、封蝋以外に糊などで留めておかなければなりません。
別名「シーリングワックス」
封蝋は英語でSealing waxですので、シーリングワックスということもあります。どちらも同じ意味で、違いはありません。
sealは封をするという意味ですので、Sealing waxは封をするための蝋のことを指し、封かん、封印自体を意味する言葉になります。
封蝋のメリット

封蝋の本来の目的は、手紙や文書の場合は文書が封されてから開かれておらず、封した時のままの中身が渡されていると証明することです。
現在は手紙の中身の証明は書留や内容証明などの運送時の扱いでされることが多いため、実用的な意味は少なくなっています。形式的な差出人の証明や、高級感の演出として使われることが多くなっています。
封蝋の作り方とコツ

封蝋の作り方はそれほど複雑ではなく、蝋を溶かして封をする場所にたらして、蝋が固まる前にスタンプを押し付けて、蝋が固まったらスタンプをはがすだけです。
蝋からスタンプをはがすときは、一緒に蝋がはがれてしまわないよう、注意してゆっくりとはがす必要があります。
1:芯ありワックスで作る場合

封蝋は芯ありワックスで作るのが一般的です。
シーリングワックスの芯に火をつけて、少し下を向けながら火で溶けたワックスをたらして、ワックスが固まる前にスタンプを押します。
このやり方だと芯からススが出るので、それがワックスについてしまいます。濃い色のワックスならそれほど気になりませんが、薄めの色だとちょっと気になります。そのような場合は、芯なしワックスで作るときと同じやり方をした方がいいでしょう。
2:芯なしワックスで作る場合

封蝋を芯なしワックスで作る場合は、シーリングワックスをスプーンに取り、スプーンを温めて溶かして作ります。
シーリングワックスをカッターで刻み、スプーンに乗せてキャンドルなどで温め、ワックスが溶けたらたらスタンプを押します。このやり方だとスプーンにススが付いてしまいますので、封蝋専用のスプーンにしてしまいましょう。
複数の色のワックスを使ってマーブル模様の封蝋にしたい時も、このやり方なら簡単にできます。
3:粒状ワックスで作る場合
封蝋を粒状ワックスで作る場合は、芯なしワックスで作るのと同じようにスプーンなどに取って作ります。シーリングワックスをカッターなどで刻むか、はじめから粒状になっているワックスを使うかの違いだけです。
粒状ワックスを使うと、複数の色を混ぜて使うのもより簡単にできます。
4:グルーガン用ワックスで作る場合

封蝋は専用のワックスだけでなく、グルーガンを使っても同じように作ることができます。
通常の白色のグルーガン用のスティックだと味気ないので、濃い色のスティックを使われるとよいでしょう。
スティックは電気の熱で溶かされるので、ススなどが付かず、透明感のある色味のものを使えばとてもきれいな仕上がりになります。
封蝋のタイプの選び方

封蝋には上で説明したようないろいろなタイプがありますが、実際に使うときにはどのような点に気をつけて選べばよいでしょうか。
封蝋をする際の扱いやすさ、ススの目立たなさ、アレンジのしやすさなどについて、要求に合う封蝋のタイプをご紹介していきます。
1:扱いやすさ
封蝋を使う場合に扱いやすいのは芯つきタイプのシーリングワックスです。ロウソクのように火をつけるだけで使うことができ、とても手軽です。
芯が燃える時に出る黒いススが混じりやすいのが欠点ですが、濃い色のワックスならほとんど目立ちません。
グルーガンは、加熱までの時間や固まるまで少し待たないといけないのが面倒です。グルーガンのワックスは蝋と違って柔軟性があり、割れにくいので、郵送したい場合はいいでしょう。
2:スタンプの剥がしやすさ
封蝋に慣れないうちは、ワックスからスタンプを剥がすときに失敗してしまうことがあります。ワックスからスタンプをうまく剥がせない場合は、シーリングワックス用の離型パットを使ってみるといいでしょう。
離型パットはスタンプにシリコン液を付けることで剥がれを良くするもので、スタンプを離型パットに押し付けてからワックスにスタンプを押し付けるだけで使えます。
3:ススの目立たなさ
封蝋をしたときにススがつくの気になるようなら、芯なしタイプか粒状タイプのワックスを選ぶか、グルーガンを使うとよいでしょう。
芯つきのワックスに比べて手間と時間は多少かかりますが、薄い色のワックスでもきれいに仕上げることができます。
特にグルーガンは火を使いませんので、ススがつくことはありません。透明感のある綺麗な仕上がりになります。
4:アレンジのしやすさ
封蝋をマーブル模様にしたり、複数の色を活かした仕上がりにしたいなら、粒状ワックスを使うといいでしょう。色の割合も思ったとおりにできますし、スプーンで溶かすときに混ざり具合を調整することもできます。
芯なしタイプのワックスを削ってもいいですが、粒が揃わないので粒状ワックスより難しくなります。
スターターキットで封蝋デビューはいかが
口コミ初めての人にも分かりやすい説明書と封筒も2枚入っていて、これだけでも、初めて遊ぶのには問題ありません!笑
実際に封蝋を試してみることのできる、お手軽な価格でありながらしっかりとした内容のスターターキットです。
ハリー・ポッターで封蝋を知った人も多いと思いますが、これはハリーの行っているホグワーツの校章がスタンプとして入っています。
封蝋のおすすめメーカー

封蝋は輸入文房具を扱うお店や、通信販売で手軽に手に入れることができます。
グルーガンで手軽に始めてみることもできますが、使っているとだんだん本格的な封蝋のアイテムを欲しくなってきます。
ここでは、有名な封蝋のメーカーをご紹介しますので、お好みに合わせて選んでみてください。
1:ABRAXAS
アブラクサスはスイスの文具メーカーで、昔ながらのオーソドックスな商品を提供しています。
ワックスは芯なしタイプのみで、色数は52種類ありますが、オーソドックスな暗めの落ち着いた色調のものがメインです。
シーリングスタンプはハンドルとスタンプが一体型で、付け替えて使うことはできません。
2:J.HERBIN
エルバンは、フランスの文具メーカーで、日本での知名度も高いメーカーです。従来のシーリングワックスにシェラックを加えて、固着力と美しさを高めました。
日本にもたくさんの取扱店があり、ワックスタイプも芯つき、芯なし、グルーガン用のすべてが揃っており、カラーも豊富です。
スタンプのハンドルとスタンプ部分が別売りで、スタンプを付け替えて使うことができます。
3:Shiny
シャイニーは台湾のスタンプメーカーで、ヨーロッパのOEMメーカーとしてシーリングスタンプに関わってきた会社です。
ワックスの色数は21種類で、明るい色も揃っています。
スタンプのハンドルとスタンプ部分は分解することができ、スタンプを付け替えて使うことができます。オーダーメイドも可能なので、自分だけのスタンプを作ることもできます。
封蝋をおしゃれに活用しよう

封蝋は、実用性と手軽さが重視されてきた手紙や文書の傾向に逆行するものですが、その重厚さと美しさはそれだけで価値が感じられます。大事な手紙や文書を封じる時に、封蝋を使うことには、その文書に特別な価値を与えます。
大切な人に伝える時に封蝋を使うのは、おしゃれであるだけでなく、あなたの特別な気持ちを伝えることにもつながります。大切な人に送る手紙に封蝋を使ってみましょう。
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手紙の封は、封蝋だけでなくシールなどを追加することで気持ちを伝えることもできます。
100均ショップで買えるかわいいハートシールや、シールをはがした後に残る糊のきれいな取り方などをご紹介するサイトもご覧になってみてください。