ジャムやピクルスなどの保存食をつくったら、瓶に保存する人が大部分でしょう。このとき、瓶を煮沸消毒しておけば、食品は長く保存することができます。一見、面倒に思える煮沸消毒ですが、やり方を覚えてしまえば簡単です。この機会に覚えてしまい、食品の保存に活用しましょう。

煮沸消毒とは
煮沸消毒は、昔ながらのシンプルな殺菌方法です。現在は消毒専用の洗剤なども普及していますが、煮沸消毒は、お湯だけで化学薬品などを使いませんから安心。やり方を知っておけば、ジャムなどをつくって保存する際の瓶を消毒するのに、とても便利です。
消毒の方法
消毒用エタノールなら、瓶にまんべんなくスプレーし、キッチンペーパーで拭き取るだけ。お酒の場合は、まず、お酒を少量を入れた瓶を転がすようにしてお酒を全体に行きわたらせます。そのあと、お酒を捨て、やはりキッチンペーパーで拭き取れば殺菌完了です。

煮沸消毒に使える瓶
ちなみに、プラスチックの保存容器の場合も、「耐熱温度100℃以上」の表示があれば、煮沸消毒は可能。それ以外は台所用漂白剤を使用しましょう。
瓶を煮沸消毒する手順7
さっそく、瓶を煮沸消毒してみましょう。きちんと殺菌ができる煮沸消毒の方法を、7つのステップで紹介していきます。正しい方法を押さえておきましょう。
手順1:道具の準備
煮沸消毒は、保存用の瓶と煮沸に使う鍋があればいいというわけではなく、他にも必要なものがあります。それらを用意してから始めるのは、煮沸消毒を安全に、完璧に行う基本です。
きれいに洗ってある耐熱の瓶

食品の保存用に使うのであれば、きっちりと閉まるフタが付いていることも大前提です。フタ付きの耐熱瓶を用意したら、台所用洗剤できれいに洗いましょう。
瓶がすっぽりつかる鍋
鍋の素材は問いません。ステンレスでもアルミでも、水を沸騰させることができ、消毒する瓶が完全に水没するなら、どんなものでもOK。ただ、いずれにしても、料理の油分などが残っていないよう、清潔な鍋を使いましょう。
清潔なフキンかキッチンペーパー
使い捨てのキッチンペーパーよりふきんのほうがエコではあるけれど、ふきんを使うなら、清潔なものを用意することがポイントです。せっかく瓶を煮沸消毒したのに、ふきんに雑菌がついていたのでは、意味がなくなってしまします。その意味では、キッチンペーパーのほうが安心と言えるでしょう。
トングやシリコン手袋
シリコン手袋とは、耐熱性に優れた素材シリコンでできた手袋のこと。値段はピンキリですが、昨今は、100均(ただし値段は高めに設定されている場合がある)などでも販売されています。シリコン手袋は、耐熱温度が200℃以上で、キッチンではさまざまな用途に使えます。ひとつ持っておくと便利です。
手順2:鍋に水と瓶を入れ火にかける
瓶は水から鍋に入れること、鍋の底にふきんを敷くこと。この2つの注意点守ることで、確実に、安全に、瓶の煮沸消毒ができます。
沸騰している湯に入れると瓶が割れる
沸騰したお湯に瓶をいきなり入れると、急激な温度変化によって割れてしまうことがあるため、くれぐれも気をつけましょう。水から入れて沸騰させれば、安全に消毒ができます。
ぶつかって割れるのを防ぐには鍋底にフキンを
鍋底にふきんを敷くのは、煮沸中の衝撃で瓶が割れたりするのを防ぐため。ふきんがクッションの役割を果たし、たとえ瓶が鍋底にぶつかったとしても、ヒビが入ったり、割れたりするのを防ぐことができます。
手順3:水が沸騰し泡が出てきてから時間を計る
殺菌に効果的な煮沸時間の目安があります。時間を計るのが理想ですが、その際は、水が沸騰して泡が出始めてからの時間をカウントします。
煮沸時間の目安
煮沸の時間は長ければ長いほどいいわけではありません。10分で死なない菌は30分煮沸しても死なないとも言われています。したがって、煮沸時間の目安としては、最低5分、長くても10分程度でいいでしょう。
手順4:瓶のふたを鍋に入れる
プラスチック製のふたは、じわじわと温まると変形する可能性もあるため、水が沸騰してから鍋に入れるほうが安心です。
変形を防ぐために瓶より短めに煮沸する
保存容器によってはゴム製のパッキンがついているものもあります。このパッキンも煮沸消毒しますが、ふたと同じく、煮沸時間は瓶より短めにすると安心です。
手順5:やけどに注意して取り出す
手順6:瓶と蓋を逆さまにして乾かす
手順7:水滴が乾いたら消毒完了
例えば自家製ジャムを保存するなら、ジャムも瓶も冷め切らないうちに瓶詰めにするほうが、ガビが生えにくいとされています。ジャム作りと保存瓶の煮沸消毒を同時進行で行うのが理想です。
保存瓶で料理もできてしまいます!
瓶を使って作る料理のレシピ集
口コミネットで話題になっていたので購入してみましたが、本当に簡単な調理法でびっくりしました。 キーマカレーを作ってみたのですが、材料を瓶に詰めて、鍋で蒸すだけ!
口コミネットで話題になっていたので購入してみましたが、本当に簡単な調理法でびっくりしました。 キーマカレーを作ってみたのですが、材料を瓶に詰めて、鍋で蒸すだけ!
掲載されているのは、さばの味噌煮、アクアパッツァ、チャーシュー、蒸しぎょうざ、キーマカレー、蒸しパンなど毎日の食卓に並べられる料理ばかり。まとめてつくって瓶ごと保存も可能ですから、家事の時短にもなります。

煮沸消毒した瓶を使用する保存食レシピ4
1:パプリカとズッキーニ、人参のマリネ
すぐに食べ切ってしまうなら、瓶を煮沸消毒する必要はありませんが、ある程度長く保存したいなら、やはり煮沸消毒をしてください。
出典: http://www.recipe-blog.jp/profile/22442/recipe/845685 |材料)
パプリカ 3個
ズッキーニ 1本(140g)
人参 1本(120g)
しょうが 1かけ
にんにく 1かけ
コンソメ(顆粒) 4.5g
酢 50cc
白ワイン 50cc
砂糖 大さじ2
塩 小さじ1/2
バジル(乾燥) 小さじ1
水 100cc
オリーブ油 少々
Weck保存瓶290ml 5個作り方)
1.人参、ズッキーニを縦4つに切り、約1cm幅のいちょう切りにする。パプリカを1cm角に切る。にんにくとしょうがを薄切りにする。
2.フライパンにオリーブ油とにんにくを入れて、にんにくを炒める。
3.にんにくのよい香りがしたら、人参を加えて軽く炒める。
4.続いて、ズッキーニを加えて軽く炒める。
5.パプリカとしょうがを加えて軽く混ぜたら、白ワイン、酢、水、砂糖、塩、コンソメ、バジルを加えて混ぜる。
6.落としぶたをして弱めの中火で10分煮る。
7.10分たったら火を止める。熱いうちに保存瓶(Weck290ml×5個)に詰めて、ふたをする。30分煮沸消毒をして、完成。
2:木の実とドライフルーツのハチミツ漬け
木の実には、肌の美容に良いとされるビタミンEや、糖質や脂質の代謝に必要なビタミンB群がたっぷりで、さらには、良質の油も豊富です。一方、フルーツの美味しさと栄養がギュッと凝縮されたドライフルーツには、ミネラルや、ビタミンB群や食物繊維などがふんだんに含まれています。
3:香味油
煮沸消毒した瓶に保存しますが、保存は冷蔵庫がベスト。1か月弱くらいは持ちますが、2週間ほどで使い切るのが理想です。常に清潔なスプーンを用い、使う分だけ取り分けるようにしましょう。
出典: http://www.recipe-blog.jp/profile/52987/recipe/580355 |材料)
ネギ みじん切り 150g
生姜 せん切り 25g
にんにく みじん切り 3片分
ごま油 大さじ5
塩 小さじ1
上白糖 小さじ2
鶏ガラスープの素 小さじ2
鷹の爪 1本作り方)
1.鷹の爪は種を取り除いておく。ごま油で生姜・ニンニクを炒め香ってきたらネギを入れサッと炒めます。
2.調味料類を入れネギがしっとりするまで炒めます。
3.煮沸消毒した保存瓶に熱いうちに詰めます。荒熱が取れたらふたをして冷蔵庫へ。
4:ゴーヤの甘酢ピクルス
ピクルスを食べ切ったあとで残った甘酢はつぎ足してさらにピクルスを浸けたり、酢の物の調味料として再利用できます。
出典: http://www.recipe-blog.jp/profile/8461/recipe/129347 |材料)
ゴーヤ 1本
塩 小さじ1/2
★酢 1カップ
★砂糖 大さじ6
★塩 小さじ1/2
★赤唐辛子輪切り 1本分作り方)
1.鍋に★を入れ、一度沸騰させて冷まし、煮沸消毒した保存瓶・容器に入れる。
2.ゴーヤは5㎜幅にスライスし、塩をもみ込んで、しばらくおく。
3.ゴーヤの水分を軽く絞り、保存瓶に入れ、一日漬け込めば完成。
煮沸消毒した瓶を活用しよう
瓶なら中身が見えますから、必要なものがさっと取り出せて便利ですし、色鮮やかな保存食なら、見ているだけで気持ちが豊かになってきます。
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記載されている内容は2018年11月29日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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