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2018年12月12日

中世の服装とは・年代別で見る中世ヨーロッパの服装の7つの特徴

中世ヨーロッパの王侯貴族の服装は、女性の憧れともいわれています。女性なら、中世風のきらびやかなドレスを1度は着てみたいという方も多いのではないでしょうか。ここでは、中世ヨーロッパの服装を年代を追ってご紹介しています。優雅で贅沢な雰囲気を味わってみてください。

中世の服装とは・年代別で見る中世ヨーロッパの服装の7つの特徴

中世の服装とは

中世の服装とは・年代別で見る中世ヨーロッパの服装の7つの特徴

中世の服装というと、マリー・アントワネットの時代の裾広がりの豪華なドレスを思い浮かべる方が多いでしょう。ですが、実際には、そのようなドレスが好まれたのは中世後期に入ってからです。

中世中期までの服装は、実は、ボリュームのないストレートなシルエットの服装ばかりでした。しかも、男女間の服装の差もあまりありませんでした。

意外な面や誤解も多い中世ヨーロッパの服装について、年代毎にその特徴をご紹介します。

中世とは

ヨーロッパの中世とは、領主が農奴を支配した封建制度の時代を指します。国によって多少前後がありますが、5世紀の西ローマ帝国の滅亡あたりから、ルネッサンスを経て15世紀くらいまでが中世と呼ばれます。

宗教改革が個人の内面の変化を促し、市民を基礎とする近代国家への萌芽が見られる16世紀以降は、近世として区別されています。因みに、マリー・アントワネットは18世紀のフランス王妃なので、中世の人ではありません。

日本の時代背景は

ヨーロッパ中世は、日本の古墳時代から室町時代後期までにあたります。中世の始まりである5世紀は、日本でいうと仁徳天皇陵が作られたころで、大和朝廷が国内の統一をめざしながら、初期国家としての体裁を整えていた時代です。

一方、ヨーロッパの中世が終わりを迎える15世紀は、応仁の乱を経て室町幕府が滅亡する時期に重なります。日本の歴史と比べると、ヨーロッパでは中世と呼ばれる時代がとても長かったことがわかります。

【年代別】中世ヨーロッパの貴族や王の服装

中世の服装とは・年代別で見る中世ヨーロッパの服装の7つの特徴

中世ヨーロッパの服装は、キリスト教文化の影響を抜きに語ることはできません。しかし、中世のファッションを牽引したのは、もちろん聖職者などではなく王族や貴族たちです。

ここでは、マール社発行の書籍「中世ヨーロッパの服装」を参考に、中世ヨーロッパの貴族や王の服装について、10世紀から年代を追って、その特徴などをご紹介します。

1:900 ~1000年頃の服装

10世紀の王侯貴族の服装は、華やかとは言い難いもので、男女ともにローマ時代の服装の名残がありました。史料には、柔らかな生地のチュニックを重ねて、腰を紐で結んだだけのデザインが多くみられます。

とはいえ、短い上衣がなかったわけではなく、ローマ風の短上衣を身に着けることもありました。軍服も、チェインメイルと呼ばれる鎖帷子(くさりかたびら)や、金属板でできたコット(上着の総称)などが用いられました。

2:1000~1100年頃の服装

1096年の第1回十字軍の東方遠征以降、東ローマ帝国やアラビアなどから異国の文化が流入し、ヨーロッパの王侯貴族の服装に大きな影響を与えました。絹織物や上質な毛織物といった服の素材や、染料、新しい織物の技法などもヨーロッパに拡がりました。

そのような異国文化の影響を受け、服のデザインや装飾などに変化が起き、紀元前から脈々と続いていたビザンチンファッションは、次第に衰えを見せていきます。

3:1100~1200年頃の服装

12世紀にはいると、11世紀に起こったデザインや装飾などの変化がさらに進み、服はより優美なものになっていきました。当時の絵画などを見ると、男女ともに、ひだをとったり袖を広げたりと、デザインも豊かで洗練されたものが好まれたことがわかります。

ブリオーという、振袖のように長い袖を持ったチュニックが流行ったのもこの時期でした。ファッションにもまた、典雅なロマネスク文化が反映されていたと言えるでしょう。

4:1200~1300年頃の服装

13世紀ころの服装は、シュミーズと呼ばれる肌着、ブレー、チュニックの1種であるコットに上着のシュールコーと外套を合わせたものが、基本となっていました。女性の服も、13世紀の時点では、まだ男性とあまり変わりがありませんでした。

そんな13世紀で特筆すべきことは、ボタンの登場です。ただ、現在のような使われ方ではなく、大きさもずっと大きく、刺繍が施された「くるみボタン」で、装飾品として使われていました。

5:1300~1400年頃の服装

14世紀には、女性の服装に変化が生まれてきます。このころから女性用として、ウエストを締めて裾広がりにするデザインが好まれるようになりました。完全に足を隠す長さで、裾を引きずりながら歩くドレス丈が、普通のものになりました。

また、男女ともに、帽子やベルトなどの装飾品にも贅を尽くすようになり、絵画などにも金や宝石で飾られた贅沢な服が数多く登場してきます。

6:1400~1500年頃の服装

15世紀には、中世ファッションの代表ともいわれるゴシック様式が完成しました。宝石やフリルなどをふんだんに使った華美な装飾が好まれ、現代のファッションに比べると、不自然なほどに体のラインを人工的に作り上げる服もみられます。

また、ルネッサンスにわくイタリアの影響が色濃く見られ、洗練された品の良い服装が流行しました。

7:1500~1600年頃の服装

中世の服装とは・年代別で見る中世ヨーロッパの服装の7つの特徴

16世紀は中世から近世への過渡期となる時代です。この時代は、イングランドのチューダー朝の服装が、ヨーロッパファッションの中心となりました。とりわけ、エリザベス一世の影響はとても大きかったと言われています。

貴族たちは、王侯に倣って華麗なファッションを追い求め、ストッキングや付け襟のような服飾品にも贅沢を極めたものが見られます。エナンと呼ばれる尖った円錐形の頭飾りも流行しました。

中世の服装をもっと詳しく知りたい方におすすめの本

豊富なカラー写真をもとに、ヨーロッパの服装の歴史を紹介しています。服飾史というと女性の服装にばかり目がいきますが、この本では男性の服装にもページが割かれており、「ファッションは男性から」と言われる所以もわかります。

ドレスの歴史からデザインの移り変わりまで知ることができ、中世前後の時代の服装も掲載されています。中世の服飾について幅広く、また詳しく知りたい方におすすめの本です。

中世ヨーロッパの農民の服装

中世の服装とは・年代別で見る中世ヨーロッパの服装の7つの特徴

王侯貴族と違い、農民たちの服装は、中世を通してあまり大きな変化は見られませんでした。農民にとって服といえば作業着であり、身を飾る物ではありませんでした。農作業を安全かつ効率よく進めるために身に着けるもので、それは手袋や帽子といった服飾品も例外ではありません。

農民たちやさらに身分の低い農奴たちの服装を、男女別にご紹介します。

農民の服装・男性

男性の服は、長袖で丈の短いチュニックが多く、腰の部分を紐で縛っていました。丈が短いのは、農作業の邪魔にならないようにしたものと言われていますが、長い服を作るには生地代も余分にかかるため、経済的な理由もあったのでしょう。

農民は、そのチュニックにズボンかタイツのような靴下を穿き、農民靴と呼ばれる革製のブーツを履いていました。帽子や手袋などは、農作業の効率を上げたり怪我を防止する目的で使われていました。

農民の服装・女性

一方女性も、長袖の下着の上にチュニックやガウンを来ていました。男性の場合と違い、チュニックやガウンの丈は長く、足が隠れるような長さものでした。腰の部分を紐で縛って着用していた点は、男性と同じです。

また、男性が革製の農民靴を履いていたのに対し、女性は木製の底に皮をまいた靴を着用していました。頭には帽子をかぶるのでなく、スカーフや頭巾を巻いていました。

農奴の服装

身分の低い農奴の服装もまた、実用第一のシンプルな物でした。素材も粗末なものが多く、史料によっては裸足で作業するものの姿も見受けられます。

しかし、13世紀頃から農奴の反乱を恐れた領主が、農奴の土地の世襲や家屋の所有を認めていったので、大規模な農地を持つものも出てきました。そのようなこともあり、中世中期以降は、農民との服装の差が徐々に小さくなっていったものと考えられています。

中世の服装は現代のファッションに繋がっている

中世の服装とは・年代別で見る中世ヨーロッパの服装の7つの特徴

中世以前は、服装面で男女の区別がほとんどありませんでした。中世になり時代が進むと、例えば男性はズボン、女性はスカートというように、男女の服装に違いが生まれてきます。服装自体が性別を意識したデザインになり、それは現代にも受け継がれています。

ほかにも、プリンセスラインのドレスなどは、中世の服の特徴を持つものが多く、ウエストをマークした広がりのあるスカートなどは、ゴシック様式のデザインを彷彿とさせます。

男女別でみる貴族の服装

貴族の服装の男女の違いや、中世風のドレスについて詳しく知りたい方には、以下のページが役立ちます。

「【男女別】貴族の服装」では、男女の違いが確立された16世紀、18世紀の貴族の服装について紹介されています。また、「中世のようなドレスの構造」では、ロココスタイルや19世紀のクリノリンスタイルにも言及し、中世と現代のドレスの違いや類似点を紹介しています。

どちらも興味深い内容ですので、ぜひご覧ください。

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